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2000年6月の月歌にかわいい曲が登場しました。その名は「あめふりりんちゃん」。
過去、何度も放送で流れ、また、2000年末の東京国際フォーラムと2001年春のファミリーコンサートの両方でも歌われたこの曲について、もう一度振りかえってみましょう。
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この曲は、まずリコーダーの小さくてかわいい「ポッ♪ポッ♪ポッ♪ポッ♪」という転がすような音の前奏で始まります。おーなり由子さんの色鉛筆で描いたようなシンプルな蛙のりんちゃんの絵が同時に登場します。りょうこお姉さんの、いつもの歌よりはもうちょっとマイクに近づいたような、そして囁くような声で、歌の物語が始っていきます。
雨の日の『つまんないなぁ。』というちょっと物憂げなセンチメンタルな気分、それから、でも『雨降りだって楽しいんじゃない?』という楽しげなルンルン気分。これらがミックスされた雰囲気で、優しく語り掛けるりょうこお姉さんのお話が続いていきます。りょうこ姉さんの綺麗な美しい歌声に続いて、後半から、バックに廻ったあきひろお兄さんのトーンを落とした男性的な歌声が優しく支えるようにフォローをしていきます。
最後の締めくくりでは、綺麗な通るりょうこお姉さんの声が、あたかも雨が上がって虹が出た空に吸いこまれていくように伸びやかに響き渡ります。
全体的に考えてみると、この曲は、ある意味とても古典的な手法の曲ですね。それまでの月歌は、子供でも大人でも鑑賞できる曲という感じでした。それが、ここに来て、ガクンと子供さんにターゲットを絞ったオーソドックスな子供ソングを登場させたというわけです。
また、この曲は、いわゆる「女の子ソング」ですね。全体的に女の子が喜びそうな要素が幾つもあります。おーなり由子さんのかわいい絵、かわいい曲調、そして中では女の子が大好きな着せ替えがある「りんちゃんおでかけスタイル」のコーナーまであります。
…はっっ、そうだ! この曲にはもう一つ大きな特徴があります。これは多くの方が気が付かれたことと思います。なんとなんとこの曲は登場人物が、たった一人(というか一匹)なのです。たった一人の登場人物だけでこれだけ素晴らしい曲が作れるのです。まさに、「シンプル・イズ・ベスト」の代表曲と言えるでしょう。
この曲は実際に子供さんにとても人気があるようですね。
私は、今までに行ったコンサートで、数度、女の子が喜ぶ姿を実際に見たことがあります。この曲が始まったと同時に、お母さんが「ほらほら(あなたの好きなあの曲が)始まったよ。」と声を掛け、女の子が嬉しそうにニッコリと微笑んでいたのです。
また、土曜日のやぎさん郵便のコーナーや「あつまれ!わんパーク」では何度も子供達から送られてきたりんちゃんのイラストが紹介されています。
子供達は、番組を見ての感想を、言葉を書いた手紙、電話、FAX、更に言うとインターネットでは伝えることはできません。でも絵は描けるのです。そして子供達は自分が嫌いなものは絶対に描かないのです。
番組の関係者の方達にとってみれば、この子供達からのイラストは、何を子供達が今好きなのかというのを判別するのには最もストレートで判り易いメッセージでしょうね。
りょうこお姉さんの歌声の特徴は、そのモノトーンの綺麗な声にあります。また、たまにいたずらっ子っぽくコケティッシュに声が反り返るところも彼女の真骨頂です。これが非常にこの歌にマッチしているのです。
栗コーダーカルテットのかわいいリズミカルなリコーダーの演奏、そしてそのメンバの栗原正己さん作曲の素晴らしいメロディー、おーなり由子さんの素敵なりんちゃん物語の詞、そしてかわいいイラスト、そしてそして美しいりょうこお姉さんの歌声、なんとこれらが上手くマッチしていることでしょうか。これらが五重奏となって見事に一体化しています。
もう、りんちゃんと言えばりょうこお姉さん、りょうこお姉さんと言えばりんちゃん。この曲にこれほど合った歌のお姉さんはいないでしょう。
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2000年6月の月歌にかわいい曲が登場しました。その名は「あめふりりんちゃん」。
この曲も、様々なおかあさんといっしょの名曲達に並んで、そして、りょうこお姉さんの代表曲として、これからも沢山の人達に歌われ、そして沢山の人達に愛されていくことでしょう。
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