子供さんからのプレゼント 投稿者:ぎょうざ    投稿日:2008/07/05(Sat) 20:52:00
投稿時の記事:   →番組掲示板 ※ 投稿時より多少記事を書き加えました。
イラスト:        →
ポカポカ色さん、 からお借りしました。m(_ _)m


 話の枕に、昔、小学生の頃に読んだ子供向け雑誌に載っていた話の思い出を語りますね。
 こういった話題は、本来、作者の方の名前を挙げ、正確な描写を心がけるべきなんですが・・・。ごめんなさい、はっきりとした記憶があるわけではなく何となくストーリーをボンヤリと覚えているだけなんです。なので、私の記憶違いや表現方法の違いがあるかと思いますが、どうかご容赦ください。  うーん、遠い昔に読んだお話ですが、今でも…どこかの本屋さんや図書館にあるでしょうか? ただ、とても短い話だったんですよ。どなたか『私もその話は読んだことがあるよ!』と仰る方がいらっしゃったら非常に嬉しいです。
 確か・・・こんなお話でした。

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  あるところに、貧乏な家の女の子がいた。

  あるとき、その女の子が、同級生の別の女の子のお誕生会に招待された。
  女の子は、正直ビックリした。呼んでくれたその女の子はとてもお金持ちの家のお嬢様で、上品で可愛くて、クラスでも有名な子なのだ。
  貧しい私なんかとは、身分が違い過ぎる・・・。
  どうして私なんかが呼ばれたのだろう? 確かに何度か親しく会話をしたことはあるけれども・・・。と何度も首をひねった。
  でも、その子の家はお金持ち。きっとパーティーは豪華で綺麗で、さぞや楽しいことだろう。
  女の子は、そう考えると、不安に思うと同時に、期待で胸がワクワク高鳴った。

  浮かれ気分で喜んでいたけれど、あることに思い至って女の子は、逆に憂鬱な気分に陥った。
  実はパーティーには「お誕生日プレゼント」を一人一つずつ持ち寄ることになっていたのだ。
  でも、自分の家がどれだけ貧乏なのかはよく判っていたので、お母さんにプレゼント用のおこづかいをくれとは言い出せない。
  先ほどの浮かれ気分はどこへやら、女の子はとても困ってしまった。

  そして考えて考えて考え抜いて・・・、女の子はある決心をした。
  押入れを開けて奥からある物を取り出した。それは今まで大切にとっておいた綺麗な色紙とお菓子の空き箱だった。
  傍目(はため)からみたら、全く高価でもなく、つまらないものだけれど、女の子にとってみたら、それらはかけがえのない大切な宝物だった。

  女の子は、まずその円柱形をした箱の上の蓋の部分をハサミでくり貫いた。
  次に折り紙を細かく切ってその箱の中に入れた。くり貫いた蓋にはビニールを貼り、窓のようにして中が覗き込めるようにした。
  そして残りの色紙を箱の周りに満遍なく綺麗に貼った。
    (私の注: ちょっとこう「万華鏡」っぽい感じだったのかもしれませんね。)

  箱をソッと揺らすと、中の細かく散りばめられた七色の破片が、そのたびに違った模様を見せ楽しませてくれた。
  古びた家の古びた窓から差し込むお日様の光を当てると、中の金と銀の紙が美しく優しげにまたたいた。
  長い時間をかけて心を込めて作ったプレゼントはやっと出来上がった。
  とても可愛い仕上がりで、完成した途端、満足の気持ちで一杯になった。

  お誕生会当日、大切なプレゼントをしっかり抱えて、その子の家に向かった。
  想像した以上に豪華な家で、主役の女の子は普段以上に豪華で可愛い服を着ていて、まるでお姫様のようだった。
  豪華な部屋の飾りつけ、豪華で美味しそうな料理の数々…。
  女の子は思わず立ちすくんだ。ちょっと想像はしていたけれど、招待された友達は、お金持ちの家の子ばかりだった。
  貧乏な家の子は自分ひとりで、ひどく場違いな気がした。

  パーティーが始まってすぐにプレゼントを渡す時間になった。
  次々と主役の女の子にプレゼントを渡す友人達。
  『お誕生日おめでとう。』  『ありがとう。』
  『お誕生日おめでとう。』  『ありがとう。』
        ・・・・・・・・・・・・
  ニッコリと気品に満ちた笑顔で、嬉しそうに受け取る今日の主役のお嬢様。
  女の子は、それを観ていて、徐々に血の気が引く思いをした。どの子のプレゼントもとても豪華だったのだ。
  さっきまでは、ちょっと誇らしい気持ちでいた自分のプレゼントが、急にみすぼらしく、つまらないものに思えてきた。

  そして最後にとうとう、その女の子がプレゼントを渡す順番が来た。女の子は今強く後悔していた。顔はうつむき、体が震えモジモジした。
  『しまった! やっぱり私なんかが来る場所じゃなかった!』
  恥ずかしくて恥ずかしくて、そして惨めで惨めでたまらなかった。女の子は、今すぐこの場所から泣きながら逃げ出したい気持ちになっていた。

  と、そのとき、誰よりも早く・・・。
  今まで、お嬢様と一緒に、ニコニコと様子を見守っていたその子の母親がその女の子に急いで駆け寄り、中腰でかかみこみ、
  女の子のプレゼントを手で持ってあげ、女の子の目をシッカリと見つめ、そして笑顔でこう言った。

  『ありがとう。一生懸命作ってくれたのね。とっても可愛くて素敵だわ。』
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 今改めて考えてみると、そのお金持ちの家のお母さん、いわゆる「できた方」だったんだろう…と思うんです。

 さて、「おかあさんといっしょ」とそのファンの方々の関係って、ちょっとこう他のタレントさんとそのファンの方々と違うところがありますね。
 他は、大人のファンの方々からのプレゼントが多いですね。ですが「おかあさんといっしょ」は子供番組なので、子供さんからのプレゼントがとても多いですね。
 そしてそのプレゼントは「手作り」のものが多いですね。
 金曜日に「やぎさん郵便」のコーナーがありますが、ここで工夫を凝らした色んな可愛いお便りが番組から紹介されます。
 また月刊誌の別冊ファミリースタジオに、兄姉さんがコンサートの時に貰ったという可愛い手作りのプレゼントが写真に紹介されることも多々あります。
 一人一人の子供さん達が一生懸命作った手作りのプレゼント。それは服に例えて言うと「注文服(オートクチュール)」みたい。それは一つ一つ個性があって、この世に二つとない「かけがえのない」もの・・・。  受け取る出演者、番組サイドさんからしてみれば、いくらお金をかけたとかは関係なく、とても嬉しい気持ちになれる、それこそ「宝物」でしょうね。

ありがとう


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