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というわけで、前回と続き物のコラムなので、ここに繋げます。
一覧は以下になりまーす。
http://www.moimoi.org/column/hiromichi/sanka/index.html
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さて、前回の続きですが、このファミコンビデオで是非遡上(そじょう)に乗せたいのはその挿入劇のミニミニミュージカル「シンデレラ」です。いやあ、これがとても随所に面白い点がキラ星のように輝いていて非常に良い出来。
実はこのコンサートは、全編を通してコメディタッチな進行なのです。音楽博士役で登場する古今亭志ん輔さんを、他の兄姉4人でお呼びでないよといった調子で終始いじりまわすのです(笑)。これが見ていて見飽きないとても面白い流れ。会場内のそこかしこで笑いの渦が巻き起こっています。そしてこのミュージカルにも笑いのエッセンスがギュッと詰まっています。
【キャスト】
まず配役ですが、以下の通り。
●あゆみ姉: シンデレラ役
会場に「あゆみお姉さんがいいと思う人、手を挙げて!」と同意を求めて自ら立候補。
志ん輔氏が5分の1くらいしか手が上がっていなかったと、嫌味を言うのが面白いところ(笑)
●けんたろう兄: 王子役
これまた会場に「けんたろうお兄さんがいいと思う人、拍手!」と同意を求めて「それほどまでに言うのなら」と照れながら退場。ここでまた志ん輔氏が呆れた表情。
●みど、れっしー: 意地悪なお姉さんA、お姉さんBの役。
れっしーは女性役が似合いますね。
●ふぁど: 語り手の役。
後日の「白鳥の湖」のミュージカルでも彼はストーリーテラーですね。
●空男: 魔法使いのお婆さん役
彼はおっとりとしているのでこの役がピッタリ
●志ん輔氏: 意地悪な姉達の意地悪なお母さん役
ピッタリですね(笑)。
●弘兄、ちか姉: それぞれ、「家来その1」、「家来その2」の役
志ん輔氏から役を貰い損ねて、「歌って踊れる僕達二人を忘れていませんか?」とちょっと気取った艶のある声で弘兄が軽やか、且つキザにターンする場面があるのですが、志ん輔さんから貰った役がなんとこれ!
えーーっ、と弘兄ちか姉で不満タラタラですが、ビデオを見ていた私も思わず、ええええーーーっ!
なんでやねーーーん! 思わず6年前のテレビ内の志ん輔氏に怒涛のツッコミを入れてしまいそうになりました(怒笑)。
【見所】
それでは各兄姉をピックアップして。
●志ん輔氏:
いや落語家さんだけあって、もうこの後の意地悪お母さんの喋りが見事! 落語家さんは女性言葉も上手いですからね。
まず、メガネをかけスカートを履いたお母さん役で登場するやいなや会場が大爆笑。いや本当に楽しい格好(笑)。
●あゆみ姉:
12時の鐘が鳴って「帰らなきゃ」と言って慌てて帰る場面があるのですが、わざわざ自分で片足のガラスの靴を脱いで丁寧に会場に置いて、そして立ち去るのです。ここが面白い点の最大の見せ場でしょう(笑)。会場からも笑いが巻き起こります(笑)。
最後にけんたろう兄と共に二つに割れたハート型をひとつに合わせて大団円になるところは、往年の番組「パンチDEデート」をちょっと思い出します(笑)。
●けんたろう兄:
王子役で軽やかに登場ですが、な〜んと扮装はプレスリーそのもののヒラヒラ衣装。
・・・・今の「朝ごはんパンロックンロール」姿を思い出したのは言うまでもありません(笑)。
●ちか姉:
家来2の役ですが、黒で統一された上、白いエプロン、そして黒のスカート。とても可愛い召使いのような格好ですね。弘兄といつもペアで行動していますね。
●弘兄:
うわあ、驚いた!
その扮装がこれまたなんとビシーッとかっこよく決まっていることか。
白の胸にヒラヒラのついた上品な上着に黒のベスト。そして黒のボトムズ。これがまさに若々しい「王子」のような扮装。
王子と言えばその後のファミコンの「白鳥の湖」での「クルクル王子」役が有名ですが、いやあ、これは全くそれにひけを取らないいでたち。そして家来なのにわりと出番が多い! やった! これはある意味クルクル王子よりもお得かも!
【個人的に一番受けた所】
舞踏会が終わり、王子と家来二人が村にやってきます。家来の弘兄が大きな鐘を鳴らして、ガラスの靴の主を探します。
そしてシンデレラ(あゆみ姉)が出てくると、志ん輔氏が「シンデレラ。図々しい。あちらへ行ってなさい。シッシッ」と意地悪く詰め寄るのですが、それをなんと弘兄が後ろから羽交い締め!
そしてズ〜〜リズ〜〜リと志ん輔氏を舞台下手に引きずっていって「あなたがこちらへ来ていなさい」。志ん輔氏はしおらしくクシュンと「ハイ。」と答えます。ここが猛烈に面白くて笑ってしまいました(笑)。
【全体的に】
正直ビックリしました。弘兄就任後、まだ3年目ですね。
うーーーん、それにしては、もう立派なエキスパートになっていますね。非常に活き活きとして元気でそしてビックリするほど演技が上手い。
まず、台詞がとても大きな声でそして元気に出ており、またちょっと兄特有の甘めの声が非常にストーリーを盛り立てていますね。
更に、このミュージカルに限らず、全編を通して特に志ん輔氏とのユーモラスな掛け合いが息がもうピッタリ!
そしてなんといってもその「二枚目振り」が大きく光っています。
最初の配役を決めるところで志ん輔氏が弘兄とちか姉のことを「ここのところ人気絶頂の体操のお兄さんとお姉さん」と言う部分があるんですが、まあ脚本通りでしょうけど、それにしてもこれは本当にこの時期くらいに人気急上昇し大ブレークしたのではないかと思わせられます。
いやあ、このミュージカルの部分だけに限定しても、これはとてもお奨めのビデオです。
それでは次回は、このファミコンのこれまたある部分だけに特化して喋ります。
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