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お兄さんお姉さんにこんな役を演じて欲しいの第15弾です。(^^)
さて、このお話はすみませんがほとんどの人がご存知無くすごくマイナーだと思います。ただ、ドイツだと子供達がよく知っているかもしれないですね。色んな海外の有名な話は既にディズニーで映画化されていますが、これはまだだと思うんです。
これはドイツのヴィルヘルム・ハウフという人が書いた童話で、私はこの人の話で大好きなのが二つあり、一つめがこの「鼻の小人」で、もう一つは次に喋らせて頂きます。私、このハウフという人、鬼才だと思っています。話の展開がありきたりでなくて面白い。あと普通の童話と違って人間の内部心理の描写がとても長けていると思います。
子供向けとしては、ちょっと癖があるというか、厳しく辛い状況説明があるので、小学校中学年くらいから高学年が相応しいのではと思うのですが、低学年から読み始めても良いかもしれません。
話が長くなるので、このお話についてはレスを幾つか後でつなげていきます。
さてこのお話で、魔法使いに醜い小人に変えさせられる主人公の美少年・ヤーコブには今井ゆうぞう兄に。兄は少年のようなハイトーンの声が出せますし、この子は料理の天才になるんですが、その手捌きとかの動きが兄は敏捷なので得意でしょう。
ただ、申し訳ないですが、兄にはかなり辛い思いをしてもらわなければいけません。舞台に登っている最中、最初と最後を除いては、ずっと鼻が異様に大きく背が低く丸々っとした非常に醜い姿になってもらわなければならないし、気の毒にずっと周りから虐げられるのです。
皆さん、でこぼこフレンズの『はなはなマロン』って覚えてらっしゃいますか? ゆうぞう兄が、実写版のこのキャラに変身させられた思って頂くと判り易いかも。ただ最後にはハッピーエンドで元の姿に戻れますので。(^^)
さて、物語の中盤くらいから、同じく魔法使いに姿を変えられたミミという可哀相な「ガチョウの女の子」が出てくるのです。この娘は、主人公の小人と助け合う重要なキーパーソンです。このお話にはキーアイテムがあって、それはある「薬草」なんですが、それを見つける重要な役割を演じます。このキャラには、ゆうぞう兄の永年パートナーだった、しょうこお姉さんに是非! お姉さんにも辛い「ガチョウの着ぐるみ姿」になって貰われければいけないですが、お姉さんも最後には魔法が解けて無事元の姿に戻れますのでご安心ください。さあ、舞台上で、どうやって綺麗なお嬢さんに戻る場面を表現したら良いだろう…今からワクワクして悩みます。(^-^A (…って作る気になってるし!)
ご参考のページを下に示します。
http://www.taiheisha.co.jp/syuppan/lisbeth/lisbeth3-7.html
ご存知無い方が多いと思いますので、あらすじを次に書きますね。
【あらすじ】
ドイツに住むヤーコブは12歳。父は冴えない貧しい靴屋。家計を助けるため母と二人で畑の横で毎日露天の八百屋を営んでいます。新鮮な野菜は評判が良く公爵の料理人が買いに来るほど。明るく元気一杯な美少年のヤーコブはご近所でいつも大人気。
そんなある日、一人の醜いお婆さんが客として現れ、売り物の野菜をいじくり回し悪態をつきます。思わずカッとしたヤーコブは老婆の長く曲がった鼻、細過ぎる首、長く汚い指の悪口を言ってしまいます。キャベツを幾つか買い、一緒に運んでくれるように頼む老婆。嫌がるヤーコブですが母から命令され渋々お伴で老婆の家に。
ある古びた家に着き中に入るとそこはガラス床の立派な邸宅。老婆が命令すると大勢のモルモットやリスが家来として参上。帰らなきゃと焦りましたが、老婆からお礼にとスープをごちそうになり、甘い独特の草の香りでグッスリ夢の中。
何とリスになって老婆の家来になったヤーコブ、そこで次々と料理の技を体得し、結局、一番偉い家来まで上りつめます。ここで七年の歳月が過ぎました。
ある時、また謎の草の匂いを嗅ぐとそこでハッと目が覚め現実に戻ります。
そこから八百屋の母の元に急いで戻りますが、母はヤーコブと気付かず、息子は七年前に魔法使いにかどわかされ神隠しに遭ったと嘆くばかり。自分の姿を床屋の鏡を借りてみると、何と醜い小人の姿に。鼻が驚くほど長く、首がなく直接胴体に付いた頭、異様に長い指、異様に短い足にずんぐりむっくりの体形。老婆に悪口を言った仕返しにヤーコブは見るも醜い姿に変えられてしまったのでした。
靴屋の父の所に行っても自分と判ってもらえず、誰からも苛められるばかりで絶望に沈むヤーコブ。しかし、魔法使いの元で料理修業をしていたことを思い出し、シェフとして人生を切り開こうと決心するのでした。
国で一番偉い美食家の公爵のお城に何とか入り、試しにデンマークスープと赤身入りハンブルグ風肉団子を朝食に作りますが、これが公爵から大絶賛。毎日料理作りを任され、短気な公爵はすっかりご機嫌がよくなり毎日三食から五食に。ヤーコブはナーゼ(ドイツ語で鼻の意味)とあだ名を付けられ寵愛を受け、たちまちトップ料理人に昇進。貰った金貨は気前よく仲間に分けてしまうため、皆からの評判も上々で恨まれることもありませんでした。
あるとき、公爵が好きなガチョウを買いに市場に行くと三羽中一羽、言葉を喋るガチョウがいてビックリ仰天。話を聞くと自分と同様、悪い魔法使いに変身させられたミミという女の子。この子を大切に自分の部屋で飼い、話し相手にします。
そしてある日、公爵とライバルの隣国の美食家の侯爵がやってきます。公爵から秘術の限りを尽くしてもてなせと厳命され、とびきりの料理を毎日給するヤーコブ。しかし侯爵から最高の料理・スーゼレーヌ(女王のパイ)を求められ、唯一知らないこの料理に頭を抱えたヤーコブ。しかしミミからレシピを聞き、窮地を脱したかに見えましたが、出来あがったパイにはある草が決定的に足りないと侯爵から告げられ、恥をかかされ怒り狂う公爵。必ず料理を完成させなければ死刑だと通告され、絶体絶命のピンチに。
草のことを全く知らない途方にくれるヤーコブ、しかしまたもやミミからその草「よろこびくしゃみ草」は新月の日、栗の木の根元だけに生えると貴重な話を聞き、お城の庭で二人で探しに。クチバシに血を滲ませ何とか見つけたミミ。その匂いを少し嗅いでみると、それは魔法使いの家で飲んだスープの匂い!
大急ぎで荷物をまとめて部屋に戻った二人。ヤーコブが思いっきり匂いを嗅ぐと、何とメリメリと首が伸び背が伸び、鼻が縮んで、もう立派な青年に成長した美しい元のヤーコブに戻れたのでした。姿が全く変わったので門番にも気付かれずに無事に二人で脱出。
ヤーコブは、ミミの魔法使いである父親に引き合わせ元の姿に戻してあげます。
そしてその後、自分は懐かしい父母の元に。二人ともすっかり歳をとっていたのでした。
なお、お城では、公爵と、きっと優秀な料理人が惜しくなって逃がしたんだとなじる侯爵とで喧嘩。エスカレートして両国で戦争が勃発。これは「薬草の戦争」と呼ばれましたが、結局「スーゼレーヌ」を二人で食べて無事仲直りをしたのでした。
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