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【3934】(続) :saigoノbansan(2016) 感想
らいおん  ぎょうざ  - 16/3/29(火) 3:17 -

引用なし
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   ●最後の晩餐の最初?

 以上のように今回の崎本さんのキャスティングを適任だと思ったわけですが、もしかして今回当て書き(*)までされていたのかな?と勝手に想像しました。いやもちろん真実は知らないのですが。
 そこで、ググってみたら、少なくとも2011年に公演があったことが判り、そうか、それで今回は saigoノbansan 2016 と年がタイトルについていたのだと合点がいきました。
 脚本・演出が同じ笠原さんですが、キャストがガラリと違います。殺陣が巧いと評判の中村誠治郎さんが主役。
 他のキャストの中に、ザ・たっちのお名前を見つけました。持ちネタの 『幽体離脱ぅぅぅ〜』 を当時されたのかは判らないんですが(笑)。実は今回の2016版の中では、女性の双子が登場するのです。ですので2011年版では男性二人だったのを、今回は女性に変更したのかもしれませんね。

 (*)演劇や映画などで、その役を演じる俳優をあらかじめ決めておいてから脚本を書くこと


●いやあ、役者さんという稼業は

 肉体労働だなあと今回拝見していてつくづく思いました。その大きな理由は、かなりの時間を占めていた「殺陣」なんです。もちろん劇の内容にもより、朗読劇とかだと運動量は少なく台詞に重点があるのだろうと思いますが。
 殺陣については、これまた無知なんですが、演じるもの同士であらかじめ動きの順番を決めておいて何度も何度も練習を重ねてタイミングを揃えるんでしょうね。そうじゃないと簡単に怪我をしてしまいますよ(汗)。演じてる最中、あ、クシャミが出そうだ…とかなって動きがずれたりしてはいけないんでしょう。だから本番中、相当に緊張を強いられますね。
 また、その演じる場所が、コの字型のそんなに広くない空間なんです。そして、人数がワチャワチャと非常に多い。
 更には、公演時間が2時間25分と休憩無しで長い。もちろん、入れ替わり立ち代わり大勢で出入りしているので途中休憩はできますが、次の出番が待っているのでユッタリとはできず、箸休めのような感覚では無いでしょうか?
 それに、殺陣ではない場面でも、女性達もかなり動きが多いし、小道具を使った正確な動きを求められるものもあるのです。
 更にそれが一日2公演の日もあるわけです。

 まさに体力勝負でもありますね。崎本さんを初め、皆さんつくづく大変だったと思います(汗)。


●物語は不条理の世界で、

 主人公は究極の選択を迫られるわけですが。。。後で考えたのですが、我々には全く無関係な有り得ない世界なのかというと、そうでも無いかもしれないと思いました。
 本芝居ほどは激烈ではないにせよ、人生の重大な岐路で迷う場面って誰にでも有りますもんね。それは受験、就職、転職、引っ越し、結婚、再婚。
 また戦慄の世界としては、戦争が有りますが、長い間平和な日本、それもいつ壊れるかは判りません。
 災害としては、記憶も新しい東日本大震災が有りました。あの時は福島や東北の方々が非常に大変だったのは勿論、大都会でも電車が全部ストップし、スーパーやコンビニは商品が空になり、その後も計画停電が続きました。(2011年に上演された方は、まさにあの震災後の公演だったそうですね。)
  ・・・・・・
 この物語を教訓として、非常事態にも耐えられる強い心を育てておかなければいけないですね(汗)。


●舞台というものは

 空間芸術だな…と再認識しました。
 以前、杉田あきひろお兄さんが出演された「屋根の上のヴァイオリン弾き」
   http://moi-moi.jp/report/other/040403gyouza.html
 を観劇した時に強く感じたことですが。

 照明がこれまた巧いんです。場面場面に合わせて正確に雰囲気を変える。悪党一味が出てくるシーンは暗がりなので怖さが更に増し…。パッと全部暗くなる所も有り停電みたいな恐怖も味わえて(笑)。
 音響がこれまた素晴らしく色んな効果音が出るんです。例えば、遠い所で鐘がゴーンと鳴っているようなそんな神秘的な場面もあるのです。ちょっと昔のTV番組「料理の鉄人」の効果音を思い浮かべました。また傘のシーンでは、シトシトシトと雨が降る音。
 小道具も素晴らしく狭い空間の中でギュッと凝縮して色んな種類を出してきてくれるんですね。うーん、今まで、ネタバレし過ぎてる気がしますが…勢いで言っちゃおうかな。例えば、台車を使うんです。また大縄跳びが有るんです。あれ、失敗せずにちゃんと飛んだの偉かったと思います(ニッコリ)。
 こんな風に色んな物が役者さん達と組み合わさって、タイミングがドンピシャ合うようにシーンを作り上げていってるわけです。


●敵役の獅子野一派のお頭を演じられたのは

 榊原徹士さんで、生で拝見するのは今回初めて。佐藤弘道お兄さんが長い間出演されていたTBSのSASUKEで、何回か挑戦者として出演されていましたね。

 それが今回は超悪役だったので非常に驚きました。思えば、私が今まで知っている限りで言っても、何か「ワケ有り」という役が多かった気がするんです。ドラマ「名探偵コナン」では、前半で殺されてしまう嫌な男キャラだったし、「五つ星ツーリスト」では、ふてくされている従業員だったし。また最初にご出演されたドラマ「明日の光をつかめ」では、広瀬アリスさんと並んでほぼ主役でしたが、非常に辛い前科を背負った少年役。ゲラゲラ笑う場面など無い終始沈痛で真面目な演技で、ご本人は活発で明るいだろうに何か気の毒だなあ…と当時思っていました。

 それで今回のを見て、もともと悪い人に見えないし、もっと好感の持てる役で出してあげて欲しいと思ってたんですが・・・後日ご本人のブログを拝見したら、ご本人が悪役を望んでそうされたとのことで、そうだったのかと納得がいきました(苦笑)。公演中、終始高い声だったので、あれ?こんなに地声が高かったかなと思ってたんですが、これも役作りだったことが判りました。

 今回、前の別の公演が有り、途中から稽古に参加され、時間的制約があったと思いますが、その中での切り替え、集中しての役作り、尾、悪役にしておられて、その怪演ぶりはお見事でした。この役作りの経緯についてもブログで触れられてますね。

 それから余談ですが、榊原さんと共演が多く今回もご出演されていた稲垣成弥さんが、『りんちゃん、りんちゃん!』 と相手役の前田亜美さんを呼ぶ場面が多かったんですが、おかいつの ♪あめふりりんちゃん やら、パッコロリンのリンちゃんやら、榊原さんのご実家の飼い猫のりんちゃん やらが同時に脳裏をよぎりました。

 で、獅子野一味の皆さんの悪党振りに敬意を表して、投稿アイコンを「獅子」にしました。(^^;


●公演終了後には引き続き、アフタートークショーが有り、

 今回はラッキーなことに出演者が総出演でした。

 そして座長の崎本さんが中心となって皆で声を揃えて一斉に、観客に礼の言葉を述べてくださいました。そうそう、座長といえば、小さいことかもしれませんが、こういうことも必要なんですね。崎本さん、やり遂げられた達成感からか、ちょっと放心のようなご表情で、いやそれにしても、繰り返しますが精神的肉体的にもこれは大変。本当にお疲れ様でしたね。

 それから司会の方が質問コーナーとして観客の方に募(つの)ったら、男性がお一人手を挙げられ『好きな異性のタイプ』をご質問されました。男女、3、4人くらいが選ばれ、次々答えていって、選ばれた榊原さんも、スパッと答えておられました。ちょっとこう関西弁っぽい喋り口調でしたね。

 それから最後に、この公演の主題歌である楽曲 『時が経てば何かが変わる』 を何と若林倫香さんが生歌で披露してくださいました。観客を前にされても動じず安定した歌いまわし、さすがでした。歌詞を聞いていると、劇の内容が被って思い起こされて、何かこうとても相応しいなと再び実感しました。


●最後に

 本作品のDVD、8月上旬リリース予定で、の予約絶賛受付中だそうです。
 勝手ですみませんが、HPを指させて頂きますね。
   http://soymilk.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=1876638&csid=0
 気になる皆さん、どうぞ是非是非!

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【3933】saigoノbansan(2016) 感想 ぎょうざ 16/3/22(火) 3:30 らいおん
┗ 【3934】(続) :saigoノbansan(2016) 感想 ぎょうざ 16/3/29(火) 3:17 らいおん

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