その20
負けず嫌いについて
投稿日:2001/02/04(Sun) 10:22:41


 今日は、申し訳ないですが、全く関係の無い、そして全く皆さんの興味が無いであろう話を延々とさせて頂きます。

 実は私は大昔からETV にはお世話になっている別の番組があります。それは日曜日の昼に放送される囲碁・将棋のNHK杯戦です。特に「囲碁」は大好きで大体かかさず見ています。おかあさんといっしょは姫様の本の中でのNHKの方の話によると認知度は100%、しかし視聴率は低い、とのことですが、これらの番組も視聴率は低いのです。
 ちなみに囲碁は、発祥の地、本場中国では、なんとなんとスポーツ競技の一つなのです。大会の時などにはジャージを着て対戦するそうです。我々の感覚からするとスポーツでは無いような気もしますが、頭を非常に使うとかなりカロリーを消費するものなのです。そして体力が非常に大事なポイントになります。

 さて、だいぶ昔のことになりますが、ある祝日のこと特別企画で催された子供達同士の囲碁選手権戦を観ていたことがありました。この時の決勝戦に勝ち進んだ大変小さい5,6歳くらいの男の子が一人おりました。囲碁というのは英才教育を施すので子供が大変小さい頃から覚えさせられるのです。プンと怒ったような顔をした勝気そうなお子さんでした。
 その日の決勝戦はチェスクロック(※)による対戦だったのですが、最後は時間との戦いになり、その子の番であいにく時間が切れてしまい、自分が負けたと悟った瞬間、その子は火がついたようにワンワンと泣き始めてしまいました。
 解説をしていた加藤正夫九段が優しく「この子はね。大きくなったら強くなりますよ。」と仰っていたのを印象的に覚えています。
 果たしてその子はプロの道に進み、現在二十歳を超えて大変強くなっています。現在の「山下敬吾」碁聖です。子供の頃と全く変わらない勝気そうなお顔です。

 また、囲碁の世界ではちょっと前までは、趙治勲(ちょうちくん)氏の天下でしたが、氏が韓国に対戦に行った時、負けた時に泣いてしまわれたそうです。大人になって泣くのはちょっと恥かしいようにも思いますが、韓国の対戦相手は痛くく感心して「勝負師とはこうでなくてはならないんですね。」と言ったそうです。

 よく負けず嫌いの人、それも勝負に負けてワンワン泣くような人が将来大層伸びるといいますね。
 前に弘兄が「負けず嫌いである」というのをどこかで読んだことがありますが、あのいつも素晴らしいチャレンジ精神に溢れた完成度の高い仕事ぶりをみるにつけ、何かとても納得するものがあります。
 兄の顔の特徴を言うと一つはそのピンとした眉毛かと思いますが、山下碁聖の怒ったような負けず嫌いの顔を先日見ていて、ふと連想してしまった次第です。

(※)チェスクロック:
チェス、将棋、囲碁などで使う対戦用の考慮時間を測る器具。自分の考慮時間が終わった対戦者がスイッチを押すと、相手の時計が廻り始める。

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