その60
目立ちたがり屋について
投稿日:2003/12/07(Sun) 21:17:00


 性格的なことについて踏み込んでいくのは、ちょっと申し訳無いことなんですが…そ〜っと漠然と周りをクルクルと飛び回るような、そんな感想を今日は喋ります。

 5月の月歌「タンポポ団にはいろう!」ではアネムの性格が可愛く表現されてますね。秋ファミコンで上演されたこの曲では、弘兄が「僕だ!僕だ!」とでも言うように後ろから前に他の兄姉達と争うようにしゃしゃり出る楽しい振り付けが、可愛い曲調にとても合っていました。

 考えてみると、テレビや舞台に出る人にとっては「自己顕示欲」というか「目立とう精神」と言うか、こういった性格は、かなり仕事をする上で必要とされる要素なのかもしれないですね。ある意味目立たなければ文字通り商売が成り立たないですから。
 そして複数の出演者で共同で見せる作品を作り上げる場合には、更に、チームワーク、全体を通したバランス、ここがとても重要になってくるんでしょうね。

 番組を見始めた時からですが、ずっと大いに感心しているのは、弘兄のこの「目立ち具合」なんです。これはもう普段のスタジオからの放送でもそうだし、ビデオクリップでもそうだし、イベントでもそうですよね。
 「河童」のおでこチョロリンヘアでの「なんちゃって〜」みたいな動作とか、「たこ焼き」でのハケ振りピョンピョンジャンプや、「みらいくんとゆめみちゃん」でのウィンクや、「メラメラメッ」のクールなピアノ教師のタクト振りや、「おすしのピクニック」の玉子の身も世も無いような嘆き表情(笑)等々…もう枚挙に暇が無いほどいつも楽しい弘兄の見せ場が随所にありますね。
 大衆に見られる立場にありながら、過度に引っ込み思案だったり恥かしがり屋だと、見ている方もちょっとこういたたまれないような気分になってくる。また逆に「自分が自分が!」とあざとくシャシャリ出る場面が多くなり過ぎても見ている方では、トホホ感が増してくる。
 ここが、バランスの取れたとても良い塩梅の露出度に見えるんです。ここらへんの感覚がもう絶妙で、スッキリと明るく、そしてこう「粋(いき)」でサッパリしているように感じられるんですよ。

 実は今年の1月に、けんたろう兄とちかお姉さんのコンサートに行ってきたんですが、終わったあと、こう漠然とお二人とも何かこうキャラが似ている所があるかなあ〜と思ったんです。それは言葉で表現し辛いですが、う〜ん、「純朴としたオットリ感」みたいなものでしょうか。
 先々代さん時代の過去のビデオとかをずっと見ていると、私の勝手な感じ方ですみませんが、けんたろう兄とちかお姉さんはその点で似ていて、また逆にあゆみお姉さんと弘兄もこれまた似ている気がするんです。あゆみお姉さんと弘兄は、パーーーッと華やかに明るく前へ前へ出て行こうとしているように見えるんです。
 これがとても4人のバランスの取れた良い役割分担に感じられます。

 そして次の先代の時代になると、これも勝手な感じ方ですが・・・。
 特に番組の後期の方になると、弘兄とあき兄が、機関車に例えるとそれぞれ両輪になって元気にグ〜ングンと引っ張っていったようなそんな印象がありました。いや〜、そしてこれがか〜なり楽しかった(笑)。
 そしてキヨコお姉さんがホッホッと後ろから歩調を合わせて一緒に駆け足で付いていき、そして、りょうこお姉さんがおっとりとホンワカした良い味で機関車に乗ってエレガントに手を振っていた…なんて勝手に感じているんです(笑)。

 実は、先々代時代の古い古い月刊誌のファミリースタジオを図書館で読んで来たことがありました。残念ながらもうほとんどのページが欠損していてごく僅かしか読めなかったんですが、その中でも興味深い記事がありました。
 出演者同士の評価の言葉があったんですが、古今亭志ん輔師匠が弘兄のことをこう評していましたね。
 「目立ちたがり屋ですね。」
 それはとても短い文だったんですけど、その言葉を仰りながらまるで志ん輔さんがニッコリと笑っているような…そんな顔がフッと浮かんでくるような気がしました。


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